車で国道を走っていて、思わず二度見した。

 瓦屋根の民家が連なる港町に、センターラインの引かれた2車線の道路が突き刺さっていた。

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道路が突き刺さっているように見える手結港の可動橋=2025年2月13日午後5時56分、高知県香南市、水野義則撮影

【撮影ワンポイント】手結港の可動橋

漁港の周辺や近くの山をロケハンし、この不思議な橋をどう表現するかを考えた。橋を高い位置から撮影できる場所を見つけ、夕刻、日没後、夜明け前と、一番魅力的に見える時間を探した。橋の手前には整備されたサイクリングロードがあり、日没ごろ、鮮やかなオレンジ色の服を着た男性が走り抜ける姿がいいアクセントになった。(水野義則)

  • 【特集】いいね!探訪記

 国道を折れて「現場」に向かうと、車道が70度の角度で空へと延びていた。長さは32・8メートル。「迫力あるなぁ」。思わず声が出た。

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道路に立ちはだかる壁のように見える手結港の可動橋=2025年2月14日午前7時13分、高知県香南市、水野義則撮影

 雄大な太平洋に臨む高知県香南市夜須町。船舶を通すために、時間ごとに車道が垂直方向に立ち上がる可動橋(跳ね橋)が完成したのは2002年のことだ。

 可動橋の奥には、江戸時代初…

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